子どものうつ病 診察の実際

子どものうつ病 診察の実際

 子どものうつ病の診察では、時間をかけてその症状を見極めます。成長に伴う相応の症状なのか、それとも「うつ」によるものか慎重に判断します。

 

初診

 医師と子ども本人との対話から、うつが背景にあるのかを見極めます。医師からは体や心がどうつらいかや何か悩み事はあるかなどを聞かれます。付き添う家族は、以前と比べての変化や気になる点を医師に伝えましょう。
 また、最初はどんな子どもでも緊張するものです。家族の人などのつきそいがあったほうが本人も安心できるでしょう。つきそいの注意点としては、子どもへの質問に対して家族が全て答えようとしないことです。できるかぎり本人への質問には自分の言葉で答えさせましょう。

 

家族への質問内容

 問診では家族に次のようなことを聞かれます。あらかじめ答えられるようにしましょう。

  • 出生時異常の有無
  • 乳幼児の発育状態(歩き始め、言葉の発達など)
  • 保育園・幼稚園・学校での状況(友人関係、学習能力など)
  • 家族構成
  • 転居や離婚などの環境変化
  • 近親者の精神疾患の有無
  • 既往歴
  • 精神状態の変化

 子ども本人の訴えだけでなく、家族から見た子どもの様子やこれまでの成長の様子なども診断の重要な情報になります。子どもの変化で気になることがあれば何でも医師に伝えましょう。 食欲がない、眠れない、自殺を口にするなどの重要な症状はもちろんのこと、「朝起きない」「歯磨きをしなくなった」「風呂に入るのを嫌がる」などの日常生活の変化もあれば伝えるようにしましょう。

 

診断

 子どもの場合、最初の診察で診断がでることはまれです。原因が分からなければ、問診を続けます。うつ病や統合失調症など、子どもの症状に背景にある病気が分かれば、それぞれの病気に合わせた治療を開始します。原因がはっきりとしない場合でも、症状の辛さを緩和するために、薬を使ったり、カウンセリングや精神療法を始めたりすることもあります。

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