精神療法とは
医師や臨床心理士、カウンセラーなどと心理的な問題を話し合い、考え方や気持ちの整理をするとともに問題解決をはかるのが精神療法です。
うつ病の原因と考えられる問題について話すことで、子ども自身が前向きな気持ちに向かえるようになることを目的としています。
精神療法では、本人が自分に起こっている問題を話します。話すこととでうつ気分が軽くなることもあります。
心の傷をあばくようなことはしません
精神療法を受けると、過去の心の傷をあばかれる、というのは誤解です。うつ病の治療では心の問題すべてをさらすことはしません。医師や臨床心理士は、子どもの心の問題をともに考え、つらさを共感しようとします。そして、薬や休養の必要性を子どもが理解し、前向きに治療に取り組めるようにサポートします。
しかし、無理に話を続けることはありません。話をすることで、相手が自分を理解してくれていると感じることが大切です。相手を信頼したうえで、話を続けるようにしましょう。
精神療法の効果はすぐには現れません
精神療法の効果を急ぎすぎてはいけません。すぐにうつ気分が解消されるわけではありません。精神療法は、信頼関係を築きながら、一歩一歩積み上げていくものです。
抗うつ剤などによる薬物療法は比較的早く効果が現れます。精神療法は効果が現れるまで、ある程度時間がかかります。しかし、うつ病は、抗うつ剤だけでは治りにくいものです。治療は、薬物療法と精神療法を併用したり、最初に精神療法のみを行ったりします。
話したくないことは話さなくてよいです
質問内容や話題によっては、話したくないこともあると思います。とくに治療開始の頃は、緊張などで上手く話せないものです。子どもも親も最初から何でも話そうと気負わず、話せることを話すだけでもかまいません。
おもな精神療法の種類
支持的療法、認知療法、対人関係療法といった方法があります。
子どもの年齢が低く、会話が難しい場合は、箱庭療法や絵画療法などが行われます。
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