子どものうつ病の治療法-休養

休養する時のサポート

 親や子供は、学校を休むことに罪悪感を感じたり、焦りを感じたりします。しかし、無理に通学しても症状が悪化するだけです。ここは、休養も治療のひとつとして考えましょう。親も子どもに「休むことは悪いことじゃないよ」と言ってあげましょう。

 

 大人のうつ病は、家にいても行動がほとんど出来ません。けれども、子どものうつ病は「何もできない」ということはほとんどありません。ルールを決めて、遊ばせたり、家の手伝いをさせてもよいでしょう。

 

 しかし、何かに打ち込ませたりするのは、よくありません。習い事や塾も休ませます。気分が晴れるだろうと、激しい運動を続けさせたりするのも、休養にならないので良くありません。また、気分転換にと連れ回すのも良くありません。基本的に家でゆっくりさせたり遊ばせたりして、親はあまり干渉しないで見守るようにしましょう。

 

 回復の段階に合わせて、サポートする内容は変わってきます。参考にしてください。

 

1:発症、急性期

状態 まるで心が枯渇しているような状態。この時期は、子供だけでなく、親も不安な時期です。しかし、その親の不安は、子どもをさらに不安にします。気丈に振舞いましょう。
サポート
  • ”カラ元気”でもいいので、子供の前では元気に振る舞う。
  • 学校や習い事など、子供にとって負担になっているものを休めるよう配慮する。
  • 勉強道具や習い事の道具など、子どもの目に入ると焦るようなものは片付ける。
  • 何かに打ち込んだりさせず、ゆったりとしたぼんやりとした時間を過ごさせる。
  • 強い抑うつ感から自殺を図る可能性がある。自傷行為も起こしやすい時期なので、注意深く見守る。
  • 子どもに対して愛情を示す。「いつでもそばにいる」「死にたいなんて言われたら悲しい」など。

 

2:回復期

状態 体調の回復に伴い、心も回復していきます。「治った」と思いがちですが、まだ精神面は不安です。
サポート
  • いっしょに遊んだり、本を読んであげるなどして、子どもがリラックスできるように心がける。
  • 薬の服用を子どもが勝手にやめないように気を配る。
  • 食事をいっしょにとるなど、コミュニケーションを多くとる。
  • 受験や進学、退学などの大きな決断は治療中は保留にする。
  • 子どもが復学を焦る場合、主治医と相談し、必要なら子どもにブレーキをかける。
  • 家の中でできることをはじめ、徐々に活動の幅を広げていく。

 

3:維持期

状態 心がほぼ回復した状態。まだ、フルに授業を受けると疲れてしまうことも多く、症状のぶり返しに注意が必要です。
サポート
  • 学校は午後から参加したり、1〜2日おきに通学したりするなど、「ならし運転」からはじめる。
  • 友達と遊ぶなど、できることから日常生活に戻していく。

 

家族の方へ

 うつ病にしてしまったのは私のせいだと悩まないようにしましょう。うつ病は家族の方のせいでなるわけではありません。うつ病を理解し、子どもと良い関係を築きながら、ゆっくり治療していきましょう。

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