子どものうつ病 復学について

復学のタイミングは主治医に相談

子どもの回復が目に見えてくると、もう学校に行っても大丈夫なのでは?と思ってしまいがちです。
しかし、うつ病をかかえる子ども、その日は調子が良くても、次の日は疲れてぐったりしてしまうということがよくあります。
無理をすれば症状が逆戻りすることもあり、余計に不安やあせりを強くしてしまうことにもなります。
再発予防のためにも、復学のタイミングは主治医の指示を仰ぎましょう。

ゆっくり復学

主治医から復学の承諾が出ているのに、子どもが学校を休みたがることがあります。
その時は無理をせず休ませて、できる範囲でゆっくり復学させましょう。
反対に、復学に子どもがあせってしまい、オーバーペースになってしまうことがあります。
親もがんばる子どもを応援したくなる気持ちもわかりますが、子どもの様子には十分注意しましょう。
疲れているようなら「明日は午後からにしよう」や「あさって学校行くために明日は休んでいいよ」などうまくペース配分をするとよいでしょう。

体調悪化のパターンを確認する

登校のペースについては、担任や養護教諭、スクールカウンセラーと相談し、学校側の体制を整えてもらいましょう。
学校側から子どもの状態について説明を求められので、あらかじめ主治医に確認しておきましょう。可能であれば主治医から説明してもらいます。
体調が悪くなったときは、どんな状況だと疲れてしまうのか、こどもと話しあいましょう。そうすることで「たくさんの人にあった」「テストが返ってきた」など、体調が悪くなる時のパターンが見えてくることがあります。
また、無理をするとどうなるかを子ども自身が理解すると、生活のペースを自分でコントロールしやすくなります。

学校への復帰は段階的に

学校への復帰のステップを段階的に上げていき、子どもが通いやすい環境をつくりましょう。登校スタイルは学校と話し合い、主治医の意見もあわせて決定します。

 

復帰へのステップ例

  • 学校にいく時間に起きる。まずは、生活のリズムを整えて体を慣らします。
  • 学校まで行ってみる。学校に入れないようなら、無理せずにそのまま帰りましょう。学校に行けなくても、仲の良い友達と自宅で会うなど、学校との接点を持つようにしましょう。
  • 学校の敷地内に入る。教室に入れないようなら保健室にいくなどでもよいでしょう。
  • 部分的に授業に参加する。午前または午後だけ授業に参加します。宿題やテストなど、期限のあるものはさけないようにしましょう。

このようにして徐々に通常登校へ移行していきます。

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