うつ病の子どもの5人に1人が自殺を考える
子どもの死因で意外と多いのが、自殺です。平成19年の子供の死因の統計はこちらです。
10歳〜14歳
1位:不慮の事故
2位:悪性新生物(がん)
3位:自殺
15歳〜19歳
1位:不慮の事故
2位:自殺
3位:悪性新生物
自殺は10歳〜14歳で3位、15歳〜19歳で2位となっています。特に女の子は、手首やひじの内側を傷つけてしまうリストカットが多く見られます。
そして、うつ病の子どもの5人に1人が自殺を考えていることがわかっています。さらに、自殺のリスクが高まっているのは、発症初期と回復期であることがわかっています。不安な気持ちを断ち切ろうと、衝動的に自傷行為や自殺をはかってしまうのです。
抗うつ剤SSRIの副作用に注意
うつ病の治療に使われる抗うつ剤SSRIは、うつによる自殺予防を目的としています。
しかし、副作用で、あせりや攻撃性、衝動性が強まることがあり、それにより、自殺をはかることがあります。
とくに、服薬はじめの1ヶ月は副作用が出やすいので注意が必要です。
また、処方された抗うつ薬や睡眠薬をこっそりためこみ、大量服薬をはかるケースもあります。薬は親がしっかり管理しましょう。
うつ病の子どもが出す自殺・自傷行為のサイン
危険度ごとに自殺、自傷行為のサインを示します。
ときどき自殺を考える程度(自殺念慮) 危険度:低
- 死にたい気持ちはあるが、具体的なことは考えていない。
- 何か嫌なことがあったら「死にたい」と考える。
- 自殺のことをまったく考えていない時もある。
迷っている段階(自殺念慮) 危険度:中
- 自殺してしまいたい気持ちと、生きていたい気持ちが両方ある。
- 「死んで楽になりたい」などと言う。
- 親や周囲の人に「自分は生きていていいの?」などと聞く。
- 見えるように自傷行為をする。
- ベランダなどで長時間考えこむ。
自殺の準備や行動をする 危険度:高
- 強いイライラ。
- あせりが強い。
- 落ち着きがない。
- 周囲の話を聞かない。
- 自殺の手段を具体的に準備する。(刃物やロープを揃える、薬を大量に買うなど)
- 身辺整理をする。大事なものを誰かにあげるなど。
- 遺書を書く。
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